ギ酸還元リフローの特長

ギ酸還元を利用した、フラックスレスはんだ付け(リフロー)のご提案

ギ酸還元を利用した、フラックスレスはんだ付け(リフロー)

一般的なはんだリフローでは、はんだの濡れ性を確保するため表面酸化膜を破く能力のあるフラックスを 使用しますが、リフロー後のフラックス残渣をなくすため洗浄工程を経てから製品の出荷を行います。洗浄工程を経ることでフラックスの残渣成分が完全に除去されればいいのですが、製品の形状が複雑化したり、高密度実装化が進むことで、完全に除去しきれないフラックス残渣が製品に付着したままになることも珍しくありません。

また、洗浄工程があるということは洗浄廃液処理の問題も発生することとなり、近年ご注目をいただいて いる「環境保護」の観点からも、望ましい状況であるとは言いがたいのが現実です。

弊社でご提案をしております「ギ酸還元を使用したはんだリフロー」では、フラックス残渣が問題となるのであれば、そもそもフラックスを使用しなければ残渣を気にしていただくことがなくなるのではないかという、 大変シンプルな考え方に基づいています。

ギ酸(HCOOH)という物質は、元々蟻が餌を見つけた際におしり部位から地面に擦り付け、他の仲間に餌のありかを知らせる役割を担っていることが近年明らかになっております。つまり、

  1. 元々、自然界に存在する物質であること
  2. 常温環境においても空気中の酸素と結合し、最終的には、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解されるものであること

などから、自然環境汚染の心配をすることなく利用ができるという特徴を持っています。

法律上の問題においても、90%未満の濃度であるギ酸溶液については、危険物取扱担任者資格などを必要としない、法規制対象外となっていることから、どなたでも簡単に取り扱いをしていただくことが可能です。

ギ酸の反応イメージ

ギ酸の反応イメージ

水素還元との違い

ギ酸還元と水素還元の比較
比較項目 ギ酸ガス還元 水素ガス還元 参考
還元効果 強い ある程度
酸化還元温度 約150℃~ 約270℃~ ギ酸は低い温度で還元可能
ランニングコスト 安い 高い ギ酸は、水素と比較して、
約1/4のコスト
危険度 比較的安全 × 危険
対応はんだ 幅広く対応 狭い 還元効果温度の関係で、
利用可能なはんだが異なる
信頼性 高い 比較的低い ギ酸は低温で利用できるため、
熱ストレスを低減可
総合判断 利用しやすい 利用しにくい

表面に形成されている酸化膜の除去を促すための還元反応は、ギ酸だけでなく、水素ガスを利用する ことでも実現可能です。但し、上記比較表にもあるように、水素ガスを利用した還元を行うには、およそ300℃付近の炉内温度が必要となります。従来のはんだ材料融点温度が265~280℃付近であったため、結果的に炉内温度を300℃付近にまで上昇させることから、水素ガスによる還元は、広く多方面で利用されてきました。しかしながら、近年、

  • 長時間の高温環境には耐えられないデバイスが出てきていること
  • 水素ガスは、酸素と混合することによる、爆発の危険性があること

などの理由から、より低温環境でも十分な還元効果が得られるギ酸還元方式に注目が集まっています。

フラックスフリーの可能性

ギ酸による効果の例

ギ酸による還元はとても効果的です。銅パターン上にある酸化膜から、効果的に酸素を奪い取ることにより、酸化膜を完全に除去することができますので、フラックスレスはんだが容易に濡れ性を確保できるようになります。

酸素を奪い取ったギ酸(HCOOH)は、H2OとCO2に変化して排気されます。H2OもCO2も大気中に存在している成分ですので、環境を破壊することなく、「ギ酸還元リフロー」を行うことができます。

フラックス成分は、はんだリフローにとってとても便利な材料です。銅パターン上に酸化膜が存在していても、フラックスがその酸化膜を破ってくれるので、温度プロファイル管理のみを行えば、比較的簡単にどなたでもはんだリフローを行っていただくことができます。

しかし!

フラックス残渣が発生してしまうと、状況は一変します。時間の経過とともにフラックス残渣が、腐食や劣化を引き起こす可能性があるため、フラックス残渣除去のための洗浄工程が欠かせません。

また、洗浄廃液の適切な処理などが必要になることを考慮すると、フラックスを使用しないリフロー方式が、いかに環境を考慮したプロセスであるのか、容易にご理解頂けるのではないでしょうか。

ギ酸還元が利用され始めているアプリケーション

  1. 自動車業界
    EV、HV車に必要とされる、高性能SiCパワーモジュールのアセンブリ
    ヘッドライト用高輝度LEDの放熱板アセンブリ
  2. メディカル業界
    内視鏡アセンブリ(含む、CCD)
    心臓ペースメーカーなど、人体内部に長時間留める必要のあるデバイス
  3. 半導体業界
    C4プロセスでの、BGA、CSPパッケージアセンブリ

また、他の業界様でも、洗浄工程を必要としない、フラックスレスはんだ付け(リフロー)の可能性について、お問い合わせやデモのご希望などを多数いただいています。

UniTemp社製 ギ酸還元対応 卓上型真空はんだリフロー装置でのギ酸利用

弊社のリフロー装置に取り付けられている、ギ酸溶液注入口から適量のギ酸溶液を供給しておけば、

  • 窒素ガスとの適量混合
  • チャンバー内への送り込み

などを装置側ですべて自動制御されるシステムとなっていますので、爆発や腐食などの心配をする必要はありません。

ギ酸:窒素ガスの比率が約3:97となるように装置の混合システムが自動的にギ酸と窒素ガスの混合を行い、混合ガスをチャンバー内部へと供給する仕組みになっています。

チャンバー内部に送り込まれたギ酸+窒素の混合ガスの内、ギ酸成分(HCOOH)がパターン面などの表面に付着している酸化膜を還元させ、表面をきれいな状態へ変化させます。

チャンバー内での還元

  • 2HCOOH + O2 => 2H2O + 2CO2

この還元反応は、常温状態でも徐々に進行しますが、現実的なリフロー時間(数分~十数分)の中で効率よく還元反応を起こすためには、概ね150℃程度の温度設定が必要になります。

しかしながら、よく知られている水素還元炉が、水素ガスの還元反応を得るために必要な温度(約300℃)よりも、より低い温度から際立った還元効果を得ることができますことから、融点270~280℃の通常はんだの他に、低融点はんだや高融点はんだなど、幅広い材料選定を行っていただくことが可能となります。

温調推移

※冷却開始と同時に窒素ガス流入に切り替え、酸化を防止するとともに余分なギ酸成分を置換する

このようなプロセスを利用していただくことで、フラックスレスはんだでのリフローを可能にし、かつボイドフリーの結果を得ることができます。

UniSoftによるプロファイルプログラム設定(例)

UniSoftによるプロファイルプログラム設定(例)
UniSoftによるプロファイルプログラム設定(例)

弊社のギ酸還元対応 卓上型真空はんだリフロー装置には、プロファイルプログラムを自由に作成したり、温度変化や真空度変化、また、ガス流入や真空ポンプ作動のタイミングをCSV形式のデータで記録するためのWindows版ソフトウエア(UniSoft)が標準添付されています。

UniSoftを利用することで、EXCELR画面に数値を入力していただくのと同様の手軽さで、設定時間や目標温度、ガス種別ごとのON/OFFタイミング、及び真空ポンプのON/OFF制御のタイミングを簡単にプログラムしていただくことができます。

また、右図のような、リアルタイムモニター機能を備えているため、必要な情報をPC画面上で確認することも可能です。

モニター画面には、温度推移や経過時間、オプションの真空度センサーなどがそうびされている場合には、その数値データなどが表示されます。

UniSoftによるプロファイルプログラム設定(例)

取扱製品案内

  • 電車でお越しの場合:JR横浜線 町田駅より徒歩8分
    小田急電鉄小田原線 町田駅より徒歩11分
  • お車でお越しの場合:東名高速道路 横浜・町田ICより15分

お問い合わせ先

ユニテンプジャパン 株式会社

ユニテンプジャパン株式会社は、ドイツUniTemp GmbH社の総代理店です。
高い水準のサービスと優れた技術力で、お客様をサポートいたします。

ユニテンプジャパン 株式会社
〒194-0013 東京都町田市原町田2-6-13
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